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(魔界神の『綺麗』は、私の『綺麗』と同じなんだ…悪い事しちゃったなぁ…後で謝ろ…!?)
魔界神の顔に目を向けると、彼は起きていた
宝石の様に澄んだ碧
「魔界神の目は、宝石の様に綺麗だね」
笑顔で話し掛ける
「お前も、き…と、嫌がっておったな」
言い掛けて止めると、緋影はクスリと笑い
「いいよ…魔界神は言ってもいいよ…あの時はごめんね……………あのさ…ここ…何も無いねぇ」
魔界神は辺りを見て
「何も無いのは当たり前だ…何も創っておらぬからな…我はずっと眠っていた…起きては眠るの繰返しだ…何かを創るのもタルい」
「ふ~ん…ねぇ…もう離してくんないかなぁ…下りたいんだけど」
魔界神は手を離し、緋影は彼の膝から下りる
「…このまま、何も無いのはあれだから…何か作らない?」
緋影は腕を大きく広げ、魔界神に言った
「何かとはなんだ?」
「お家(うち)は?」
彼女が頭を傾げながら言うと、魔界神が呆けた顔をする
「お家?…それはなんだ?」
「知識の中に無い?……お家はね、雨風を防いで、好きな人と寝食を共にし、子供が産まれたら大きくなるまで育てて…そして巣立ったら、又2人で暮らすの…」
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