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「主人も子供達も一緒です!…それと、もう1人…足を無くした人も…あ…私ったら…ご主人様と執事さんを呼んで来ますね!」
何かを思い出した様に、アレイラは部屋を出て行く
緋影は止めようとしたが、シュヴィが彼女の肩に手を置いて
「良い…アレイラの顔を見ただろ?…この屋敷は、あの者と同じ境遇の者達がおる…で、なければあの様な顔は出来ぬ」
慌ただしい足音が響き、開け放たれた扉からヒース他数人が、緋影の名を呼びながら駆け寄って来た
只1人だけ、彼女の顔を見て驚いていた
片足を無くした女性だ
数年前に1度、見ただけの緋影の姿に恐れを抱いた
(ご主人様から、話は聞いてたけど……『変わってない』…世界神様と一緒だから?…その隣に居るあの男は誰?…初めて見る)
ヒース・サリア・執事・メイド達に囲まれ笑っている緋影達
周りの者達は、当たり前の様に涙を流し、笑い合っている
その中に、入れない自分にも驚いていた
緋影とシュヴィに命を救われた
それは、感謝している
いつか、礼を言いたいと思っていた
姿が『変わっていない』のは、シュヴィに人間の『刻』を止められていると聞いて、解っているつもりだった
然し、いざ現実にその姿を見ると…であった
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