その後の200年(フェームとの別れ)

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ふと緋影と目が合い、女性はたじろいで後退りをした 人の輪から彼女は出て、女性と向き合う 「…久しぶりですね……足の具合は如何ですか?」 彼女の笑顔に恐れを抱きつつ 「あ…あの…だ…大丈夫です……おかけさまで…痛みはありません」 顔に出ていたのだろうか、緋影は少し寂し気な顔をして…そうですか…と返事をした 「…ヒース…頼みがある…こンくらいの枝を伐ってきてほしい」 縦20㎝、横30㎝ぐらいの長さを示して言うと、彼は返事をして踵を返し中庭に出て行く 「…緋影?…」 「…うん…ちょっとね…」 軈て帰って来たヒースは、緋影の言った寸法の枝を見せ 「……母さん…持って来たけど、何すんのさ?」 ヒースから渡された枝を持って、緋影は暫し考え中庭に出て、又考え手を翳す 伐られた枝は小刻みに震え弾け、ある形になった 見ていた者達は一瞬驚き、その形を見て頭を傾げ、緋影は『それ』を持って中に入って、女性を手招きした 女性は体をビクつかせながら部屋に入り、緋影が示したソファーに座ると、いきなり履いていた…無くした足の方の…ズボンの裾を捲り上げられ、驚いた女性は短い悲鳴を上げて裾を下ろした
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