その後の200年(フェームとの別れ)

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女は煙草を吸って、煙を吐き 「他所の国でさ迷ってるとこを、回り回ってここに売られて来たんですよ…みすぼらしい格好をしてるわりに、高飛車な物言いをしたんで、ここの通り名を『レディ』って付けたんですよ…貴族女を『レディ』って言うでしょ?」 ニタリと笑い、2階を見上げる 男が階段の上から顔を出し、合図を出した 「……家は前金制でね……6万モワゲント、頂きます」 そう言ってカウンターの上に手を出すと、貴族は財布から紙幣を出して女に渡した 「…期待外れでない事を祈るよ…」 「…『レディ』は売れっ子ですよ……『アッチ系』のお客さんには、特にね」 貰った金を直ぐに、下にある金庫に終う 貴族は目を細くして笑った 「……成る程……趣味が合えば『買い取り』たいな」 「お客さん…冗談は無しですよ……こっちは契約を交わしてるんで…無理です」 即、断られた 貴族は笑って階段を上がって行くと、女が 「階段を上がりきって、一番奥の部屋ですよ!」 貴族が手を振って、了解の意を示した 女が言った通りに、階段を上がりきり奥へと進む 先程の男の声…怒鳴り声…が聞こえたが、女『レディ』の声が聞こえない
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