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「無駄だ…こっちは契約書があるんだ!1人でも断ったら、飯抜きと言った筈だ!……折檻と餓死…どっちがいいんだ?…死にたくなかったら『客』をとりやがれ!いいな!」
近づくにつれ、話の内容が漏れ聞こえる
どうやら、女『レディ』は死にたい様だ
そこを男に見つかり、止められたらしい
貴族は開け放たれた扉を叩き、声をかけた
「私を待たせるのなら、帰るぞ……女なら『ここ』以外でも居るんだからな」
貴族の声に驚き振り向くと、男は又揉み手をして
「……へへっ……すいやせん…お待たせいたしやした…『体』を綺麗にしてたんですよ……どうぞ、ごゆっくり…」
男が出て行き扉が閉められると、貴族はベッドに座る『レディ』に近づき、その顎を持ち上げた
2人の目が合うと、男が驚きの顔をし
「…………お前………そうか……確かに『レディ』だ…『ロアル国バーンロッド伯爵令嬢アリス殿』」
『レディ』の目が見開く
何故『その名を知っている』のか
『この国』では知られていない筈
「何、驚いた顔をしてる……私を見忘れたのか?『私』だ…以前、手酷い仕打ちを受けたロアル国アンガーシュ『男爵』ミランギだ」
益々『レディ』=アリスの目が見開いた
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