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次に目を覚ました時、魔界神は物足りなさを感じる
「…何かが足りない……話す相手が居ないからか……ふむ…」
暫く考えていると、上から何かが落ちて来た
「ぅおっ!?……なんだ?……緋影!?」
「…えっ?……魔界神?……又、この空間に出たのか…ごめん…少し眠らせて…………」
「…おい!?眠るなら、ここでなく………………眠りおったか……仕方ない」
と言いながら、顔がニヤける魔界神
話せる相手が来た事で嬉しさが隠せないでいた
体勢を変えやろうと、背中に手を回すと、濡れた感触がする
鼻に付く匂い
覚えのある匂いだった
掌に火を灯し見てみると、自分の手が濡れている
「この色は確か……」
緋影を見ると、なんともない
体を起こし背中を見ると、酷い火傷を負っていた
だが
「これは一体…体が『治って』いく?」
灯された灯りで見た、緋影の背中
負っていた火傷が、みるみる内に治っていく
「この人間は『なんだ』?…人間とは、怪我をしてもこうやって治すのか?」
手に付いていた液体も、いつの間にか消えている
不思議な物でも見る様に、魔界神は緋影をいつまでも見ていた
「お前は『綺麗』と言われるのが嫌だと言ったが、揺らめく火で見るお前は綺麗だぞ」
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