魔界神の孤独

3/13

229人が本棚に入れています
本棚に追加
/2544ページ
次に目を覚ました時、魔界神は物足りなさを感じる 「…何かが足りない……話す相手が居ないからか……ふむ…」 暫く考えていると、上から何かが落ちて来た 「ぅおっ!?……なんだ?……緋影!?」 「…えっ?……魔界神?……又、この空間に出たのか…ごめん…少し眠らせて…………」 「…おい!?眠るなら、ここでなく………………眠りおったか……仕方ない」 と言いながら、顔がニヤける魔界神 話せる相手が来た事で嬉しさが隠せないでいた 体勢を変えやろうと、背中に手を回すと、濡れた感触がする 鼻に付く匂い 覚えのある匂いだった 掌に火を灯し見てみると、自分の手が濡れている 「この色は確か……」 緋影を見ると、なんともない 体を起こし背中を見ると、酷い火傷を負っていた だが 「これは一体…体が『治って』いく?」 灯された灯りで見た、緋影の背中 負っていた火傷が、みるみる内に治っていく 「この人間は『なんだ』?…人間とは、怪我をしてもこうやって治すのか?」 手に付いていた液体も、いつの間にか消えている 不思議な物でも見る様に、魔界神は緋影をいつまでも見ていた 「お前は『綺麗』と言われるのが嫌だと言ったが、揺らめく火で見るお前は綺麗だぞ」
/2544ページ

最初のコメントを投稿しよう!

229人が本棚に入れています
本棚に追加