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「現段階では息子さんの侵されている病気がわからない状態です。
私自身初めて診る症状です。なので息子さんの安否を確認する術がありません。」
ロイは伏し目がちになりながら真実を母親に突きつける。
ロイの答えを聞いたとき彼女は「あぁ…」とだけちからなく呟き、泣き崩れてしまった。
そしてロイは続けた。
「ですがそれは『現段階では』です。
これから原因究明につき、一刻も早く息子さんの病原を突き止めます。
そして彼には大病院に移ってもらいます。
なぜならば彼のかかっている病気が万が一、抗体がない新型の感染病だった場合がありますので。」
マイクの母親の目を見ながら真剣身を帯びた口調でロイが話した。その顔は不敵にも口角が上に上がっていた。
虚ろになっていた彼女の瞳に光がさした。
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