死害線

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彼はノックをされたドアはには見向きもせずに「はいれ」とだけ言うと、部屋の片隅に掛けてる決して美術的とは言えない絵画を何を思っているのか、ただ見つめていた。

重そうな扉が音もなく滑らかに開くとそこには軍服らしき制服を着こんだ青年がたっていた。
青年はピシリと敬礼をしてやや声を張った。

「報告します。近日急増している熱中症の死者数と、考古学者のアッカーソン様の伝言を承って参りました。」

そこまで言いきると青年は、彼のとこのまで狭くはない部屋を大股で歩んでいき紙の束を彼に渡した。

「ご苦労。」

彼が表情を変えずにそういうと、青年は再び敬礼をして部屋をあとにする。

彼は青年から渡された書類を流すように読み進めた。

すると彼は神妙な面持ちになり眉をひそめ、胸ポケットからiPhoneを取りだしコールを鳴らした。