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「…うー。」
ロイは目の前に広がる光景に思わず呻き声を漏らす。
看護婦が患者の容態を見ながら駆け巡っている。
それでもなお増える患者は、倒しても倒しても生き返るゾンビのように思えた。
「先生!もう限界です!これ以上の患者は受けられません!」
一人の看護婦がビッショリと汗をかき、今にも泣きそうな声でロイに訴える。
そうは問屋が許さない。
先程はあんなことをいっていたがロイも医師の端くれ、彼にもプライドがある。
「いや、受けよう。」
看護婦は驚きで目を見開く。
「ですがっ…!」
「君はこのまま死に行く患者を見てられるか?」
彼女は小さく頭を横に振る。
「なら医師として最善を尽くすまでだ。」
ロイはニコリと笑うと彼女の肩に手を当てる。
「…はい!」
看護婦は目に輝きをもち先程とは打って変わって嬉々とした面持ちを浮かばせた。
(相変わらず士気を持たせるのは上手いですね。)
ロイの隣でやり取りを見てたパティーは心の内で彼を賞賛していた。
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