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「今日で3回目」 「さん、かい」 いまいち言ってることが理解できない私の表情を見て、少し腰を折って視線の高さを合わせてくる。 「3回しか会ってないのに告られても、って?」 「え、いや…」 てゆうか前の2回を覚えてないから初対面と同じなんですけど。 てゆうか、告られたん?私。 「一目惚れってあるやん」 そりゃ、まぁ。 ぎこちなく首を縦に振る。 「でも、喋ったこともないし、私がどんな人かも知らんのに」 あり得ない、というように言い返すと、じっと私を見つめ 「全部知ってからじゃないと、好きになったらアカンか?さっき一目惚れあるって言うたのに?」 「それは…」 確かに、そうやけど。 あり得ることが、自分に起こること全てに当てはまるとは思えない。 「喋ったことないって言ったな。じゃあ、今からちょっと喋ろっか」
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