その少女にご注意を

5/6
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
小雪が付いたのは《2年5組》と表示された教室だった。ドアを開けると中にいた生徒達の反応は様々で、「おはよーっ」と声をかける生徒もいれば、小雪をチラチラ見ながら他の生徒とコソコソ話している姿もある。 当本人の小雪は気にしてはおらず、適当に挨拶し自分の席である窓側の一番前の席に座った。 「俺を置いていくなよなっ!」 そう叫んでいる優亮を鬱陶しそうに睨む。片手には鞄から出されたギターの弦が握られていた。 『うるさい、歩く騒音人間。大人しくしないと弦でぐるぐる巻きにするよ?』 「ごめんなさい。はい、すいません。俺が悪かったです」 土下座している優亮を無視し、弦を後ろにある優亮の席に投げて置いた。 「おいーーっ!!弦大切に扱えよ!」 『あたしのじゃないし』 「確かに瑞弘(ミツグ)のだけど!」 ギャーギャー騒ぐ優亮に今度こそ鉄拳を入れた。 「痛っ!酷っ!」 『あたし何もしてない』 「は?え、じゃ………」 「わしじゃが?」  
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!