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小雪が付いたのは《2年5組》と表示された教室だった。ドアを開けると中にいた生徒達の反応は様々で、「おはよーっ」と声をかける生徒もいれば、小雪をチラチラ見ながら他の生徒とコソコソ話している姿もある。
当本人の小雪は気にしてはおらず、適当に挨拶し自分の席である窓側の一番前の席に座った。
「俺を置いていくなよなっ!」
そう叫んでいる優亮を鬱陶しそうに睨む。片手には鞄から出されたギターの弦が握られていた。
『うるさい、歩く騒音人間。大人しくしないと弦でぐるぐる巻きにするよ?』
「ごめんなさい。はい、すいません。俺が悪かったです」
土下座している優亮を無視し、弦を後ろにある優亮の席に投げて置いた。
「おいーーっ!!弦大切に扱えよ!」
『あたしのじゃないし』
「確かに瑞弘(ミツグ)のだけど!」
ギャーギャー騒ぐ優亮に今度こそ鉄拳を入れた。
「痛っ!酷っ!」
『あたし何もしてない』
「は?え、じゃ………」
「わしじゃが?」
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