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森奥深く入って行った玄戒は大木に寄りかかり腰を下ろした。
すると霧が立ち込めて辺り一面霧で何も見えなくなってしまった。しばらくして遠くの方から光が見えだして、こちらに近づいてくるではないか、その光に妖艶な美形の女人が立っていた。玄戒はしばらくその女人を見つめていたら。
「お願いがあります」と女人は玄戒に話しかけた。
「お願いとは?」
「私は天鈿女命と申します。九頭龍神に喰われて魂だけがこうしてさ迷っているのです」
「え!すると亡霊!」
「どうかあなた様の銘刀『不罹拏廡』で九頭龍神の首を跳ねてくださいませ、」
「あぁ~そのように…」
「さすれば私の魂は救われるのであります」
「よし分かった。討ち取ってやる」
「ありがとうございます。私を救ってくれたあかつきにはあなた様の願いを何でも申し付けください。叶えて差し上げましょう」
「願いか?」しばらく玄戒は考えていたら、アメノウズメはゆっくりと姿を消してしまった。
その後に、翡翠色した珠が転がってきた。玄戒はその珠を手に取ると、遠くの方から誰かが呼ぶ声がしてきて。
「玄戒様…」
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