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玄戒は村に入ってみると人の気配がないのに不思議に思った。
その時突然、柄の付いていない鎌が飛んで来た。とっさに避けたものの、牧に躓いて転んでしまった。
玄戒は立ち上がろうとしたが鎌や鍬を持った男衆に囲まれていた。
「ままってくれ、怪しい者じゃない。」
「なに言うか、怪しくない者がこの村に来るもんか?」
「いゃいゃ山治殿を訪ねて、玄戒と言う者です」
玄戒は阿蘇の山神様から預かった銘刀『不罹拏廡』を高々と翳した。
「おっ!?それは!」
男衆の一人が近づいて、銘刀を見せてくれと言うので、玄戒はその男に銘刀を見せてやった。
「間違いないこの銘刀は山神様の物だぞ、するとお主は?」
「山神様の言い付けで山治殿にこの銘刀を見せれば、自ずと理解してくれょぞとおっしゃっていました。」
「その山治は俺のことだ!」
「それなら話しが早い。」
それから、玄戒は民家へと通された。
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