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「酷いじゃあないか…橘さん。知ってたんでしょ?」
口角が上がったまま荒夜は老人に問いた。
「神谷様のことでしょうか?」
橘は眉一つ動かさず答える。
荒夜は神谷と言う言葉で笑みが濃くなった。
仮面をテーブルの上に置き、出口へ向かう。
橘はそれを目で追い、一歩足を踏み出した。
「ちょっと遊んで来るよ。大丈夫。僕の顔、みんな知らないんだから」
荒夜の言葉を聞き、橘は出した足を元に戻す。
それを確認した荒夜はモニタールームを後にした。
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