プロローグ

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この世界は俺に優しくない。 だから大嫌いだ。 「ねえ、そんな所で何してるの?死ぬつもり??」 別に死ぬつもりはないが、強い雨が降ってる中、流れが激しい川に近付くなんて、普通の人間はしないだろうからそう思われても仕方ない。 「さあ…??」 違うと否定しなかったのは、心の中で、このまま川に流されて死んでもいいと思っていたからかもしれない。 「ねえ、何で泣いているの??」 どうしてこの雨の中、俺が泣いているのが分かったのか、そんなことを考える余裕もこの時の自分はなかった。 「寂しいんだ…」 この時初めて相手の顔を見たが、雨と涙のせいで視界はぼやけ、はっきりと見えなかった。 「寂しい寂しい寂しい、独りは嫌だ」 普段の自分なら友達どころか、実の親にもこんな感情的になるのはありえない。 だって俺は…。 「じゃあ僕がそばにいるよ。 君を独りにさせない」 そう言って握られた手は、何よりも温かかった。
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