時眠る部屋

両親

私が覚えている中で1番古い記憶。
日に照らされた廊下
賑やかな遊戯室
それが施設にいた私の1番古い記憶。
それが世間いわく『ありふれた普通にあるあたり前の日常』ではないという事は小学一年生の時に知った。
施設の友達から
「ゆうちゃんのお父さんとお母さんはどうしたの？」
そう聞かれた時に私は初めてお父さんとお母さんという言葉を知った。
小学校の入学式の日、両親と手をつないで歩く子の姿を見て初めて寂しいと思った。
それと同時に
（何で皆にはいるのに私にはお父さんもお母さんもいないの？）
初めてそんな疑問を抱いた。