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目を覚ますと自室のベッドだった。
いやまず死んだ筈なのに目を覚ますと、と言った言い方をして良いんだろうか。
そういえば、何故僕は目を覚ましたんだ?
まさかゾンビの仲間入りでも果たしてしまったのだろうか。
だが、体を見ても腐食はなかったのでゾンビルートは免れたらしい。良かった。
それはそうと、生き物は死んだとしたら、天界らしき場所に連れていかれてから、
天使か誰かが現れて天国行きか地獄行きかを選ばれて、そこに行くんじゃないのか?
今のは綺麗に考えすぎたかもしれないが、
もし天使か誰かに連れていかれた場所が、自分の部屋だったらどうだろうか。
僕の場合『もし』ではないが。
「桐島 透真(きりしま とうま)君?気が付いた?」
今誰かが僕の名前を読んだだろうか?
「桐島くーん。桐島くーん。きりしまとうまくーん。もしもしー?…まさか、私が見えない?」
天の声らしき声はしつこいレベルで僕の名前と名字を連呼してきて、
終いには勝手に落ち込まれてしまった。
苛々しながら天井を見るとそこには見覚えのない小さい妖精が浮かんでいた。
僕はいつからファンタジーの世界にトリップしてしまったのだろうか。
それともこれも夢なのだろうか。
「夢なんかじゃないよ、今も、さっきのも。」
僕は無意識に天井を向いていた。
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