第一話

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「じゃあ順を追って説明するね。」 彼女、コロネが言うにはこういうことらしい。 僕はさっき交通事故で死んだ。 が、僕が死ぬ間際に考えていた『あいつに好きだって伝えれば良かったな』という事が神様に伝わったらしく、 暇すぎた神様の余興として僕は蘇生させられたらしい。 「だから違うって!『蘇生』じゃなくて『巻き戻し』!」 訂正。巻き戻されたらしい。 「でも、何で僕?」 「神様の余興として使われる巻き戻しには条件があったの。 一つは死んだ原因が事故である事。寿命で死んでしまった人を巻き戻す事は許されてないの。 もう一つは未成年である事。 成年になると私が見えなくなるの。成年になったら夢を見失いがちなのと同じ要領よ。 どう?条件に当てはまるでしょ?」 あとはまぁ、たまたま透真君を見つけただけなんだけど…とコロネは付け足した。やはり偶然だったらしい。 それにしても理由から条件まで、何を考えてもご都合主義としか考えられなかった。 確かに僕は未成年だ。といってもかなりギリギリ。18歳だ。高校三年生。 就職のアテはあった。なので後は平和な高校生活を満喫するだけのはずだった。…卒業式には玉砕覚悟で優里に告白をして。 しかし事故で全部パーになってしまった。 と思っていた。 が、巻き戻された訳だ。つまり僕が事故に遭うと言うことが分かっているんだ。なら行かなきゃ良いだけ。そうすれば… 「あ、言い忘れてたわ」 コロネがふとそう言った。まだ何かあるのか、と僕はコロネを見ると、彼女は申し訳なさそうに、 「巻き戻しはされたけど、この巻き戻しにはあるデメリットがあるの。それは、 ご両親に貴方の姿が見えなくなることよ…。」 それは丁度僕がドアノブに手をかけたときに言われた。 そして、ドアノブから手を引いた。 そのときの時間は9時33分。僕が事故に遭う5分程前の時間だった。
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