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僕は訳が分からなくなり、拓真(普段から拓真と呼んでいる)とコロネを繰り返し見つめた。
「透真、どこを見てるんだ?俺の質問に答えろ。買い物は終わったのか?」
拓真は心配そうに僕を見つめる。
そうだ。拓真はなったばかりとはいえ成人だ。コロネは見えなくて当然だ。
「あ、いや、忘れ物して、さ」
「何でそんなに焦ってるんだ?透真らしくもない。」
拓真は早く行けよ、と言って部屋を出た。
拓真の足音が小さくなったところで僕は思ったことをコロネにぶつけた。
「何で拓真に僕が見えたんだ?兄弟姉妹には見えないんだろ?」
「知らないわよ…。見えないものは見えないのよ。メカニズムはよく分からないけど…」
その時僕は、ある一つの可能性がある事に気付いたが、それを考えるのが嫌になりその可能性を払拭した。
「すっかり忘れていたんだけど、透真君が巻き戻された詳しい理由とやらなくちゃいけないことを説明するね。」
「ちょっと待ってくれ。時間をくれ。頭がパンクしそうなんだ。」
コロネは僕の気持ちを察したのか分かったわ、とだけ言って再びベッドに着地した。
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