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だが、私は止まらない。
どうしようもないクズだった私を、ゴミ溜めに這いつくばっていた私を拾い上げて下さった学園長のためにも……学園長に立ちはだかる障害は私が必ず取り除く!!
「く、ぅ、ぉぉぉぁぁぁあ!!」
私は渾身の力で立ち上がり、インターホンを押した……
ピンポーン
「お、来たか!」
「わ、私はここに座ってればいいかな!?かな!?」
「お、おう、俺が出る。」
ガチャ。
「はーい。」
そんな呑気な声を合図としたかのように神々からの重圧が嘘のように消え去る。
私の身体からは珠のような汗が吹き出し、崩れ落ちてしまう。
「だ、大丈夫ですか!?」
家の内部から出てきた青年が私の元へと近づいて来る。
その目は死した猛禽のごとく濁っいるも、その中に知性の光が確かに光っていた。
「えーと、御夜……黄盾の担任の先生、ですか?」
「ぁ……はい……」
「熱中症かな……とりあえず中へ!」
こちらを支える肩は鋼のように硬く、只者ではないことが容易に見て取れた。
だが、とりあえず中へ侵入することは出来た……ここからが本番だ。
そう思いながら私は意識を失うのだった……
「御夜ー!とりあえず水とタオルー!」
「え?あ、リザーナ先生!?」
「ん……」
あ、先生が起きた。
「あ、起きましたか。」
「ぅぁ、ここは…………
!!?」
ガバッ!!と勢い良く起き上がる先生。
慌てた様子で周りを見渡している。
あー、記憶が途切れ途切れだから混乱してるのかな?
「別に何も起きやしませんよ。」
「そ、そうですか……お見苦しいところをお見せしてしまい申し訳ありません。(この人がこの家の主か……?)」
こちらを訝しげに見る先生。
あぁ、まだ俺は自己紹介してなかったか。
「外様 道矢と申します、黄盾の保護者です。」
「こ、これはどうも。
リザーナ=レスクと申します、今回は黄盾さんの担任の教師の都合により私が代理として黄盾さんの家庭訪問に来た次第でして……」
なるほど。
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