Story7.灰音りかの苦悩

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『それにそれに…!まさかの一つ屋根の下なんて!羨ましすぎるっ!!!』 『!?』 その瞬間吐血した。…鼻から。 閑静な住宅街の中。 道行く人が、鼻血を垂らす美男子に度肝を抜かれている。 『渡宮くんっ、ちょっと落ち着いてっ』 わたわたとそれを宥めるが、金持ちとはやはり変人か。 全くもって、気にしていない。 『それでだ、灰音さん』 気付けばキュッ、っと。 彼に手を握られた。 『僕とアドレス交換しよう!それでツカサくんのプライベート写真を転送してくれっ!』 『…………、』 金持ちは変人を通り越して変態なのだと、あたしはこの時深く理解した。
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