Story7.灰音りかの苦悩

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この前の一件を通して、あたしの中の奴の立ち位置というものがよく分からなくなった。 狼士くんやウルフの話から想像すると、他者との関係を拒むガラスの少年であるように思えた。 だがしかし。 『痕?…ああ、いつもの癖で』 『!!!』 赤く腫れた頬を冷やしながら、不機嫌な奴が嫌みったらしくそう笑った。 癖!? いつもの!? なに大きなこと言ってんのよ!と言いたいところだったが、確かに赤く染まったこの痕は、慣れていないとできないだろう。 そう思うと、全く持って分からない。 大神長。 …奴って、いったい何者?
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