Story7.灰音りかの苦悩

7/27
前へ
/1021ページ
次へ
その言葉に、渡宮くんの行動の全てが集約されていると思った。 校門で待ち伏せしていたのも、全てはあたしに奴のポラロイドを撮らせて横流しさせるため。 全ては奴を中心に回っていた。 なのにあたしは、生涯味噌汁を作る仲になることを想像していた。 …………。 哀れである。 傷心で放心状態のまま、あたしは渡宮くんとアドレスだけでなく、番号まで交換する羽目になった。 その、せいで。 昨日の夜、びっくりするくらいの長電話。 やれ写メはまだか、やれ変な奴は侵入していないか、やれツカサくんに近づいていないか。 …うるさくて仕方ない。
/1021ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3922人が本棚に入れています
本棚に追加