3923人が本棚に入れています
本棚に追加
ほんと、あたしって運がない。
初恋の成瀬くんの時はタイミングが悪くて(いやタイミングが良くてもフラれていたことに違いはない)、今度は見る目がないなんて。
奴に話した、動物園でデート、なんて。
夢の夢の、また夢だ。
そんなことを思って、麻友の前、あたしは深いため息をついた。
「言えてない。言ったらどうなるか予想がつかないから言えないよ…」
「…ヤキモチ、妬いたりして」
「は?」
「りかが他の男とメールなんて電話なんて許せない!ってヤキモチ妬いたりして!」
また麻友は。
いつもそっちに持っていく。
「んなわけない。だって渡宮くんが好きなのは自分だって、アイツが一番よく分かってんだよ?」
麻友は未だに、奴があたしを好きな説を信じているようだった。
最初のコメントを投稿しよう!