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しかし書展にたどり着くまでには越えなければならない障害があった。
例の一件は片付いたというのに、奴は変わらずあたしを迎えに来ると言っている。
今日は書道部の副部長と書展を見に行くと言ったら、電話越しに不機嫌になったのがバレバレだった。
(…いったい、アイツなんなんだ?)
考えないようにしているが、そういう態度を取られると麻友の言葉を答えとしてしまいそうな自分がいる。
しかしその瞬間、あたしはそれを全力で拒否する。
だってあたしには、アイツに惚れられるような要素は何一つない。
庶民だし、特に可愛くもないし、…色気もないし?
『薬の力を使っても、最後までできる自信、ちっともな…』
「…っ!」
あの言葉を思い出して、メラッと怒りの炎を燃やした。
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