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その瞳があまりにまっすぐあたしを見つめていたので、なかったことにしたはずのあの出来事が再び体に刻まれた。
それをどうにか押しのけ、あたしはそっぽを向く。
「嘘なんてつくわけないでしょ。なんで嘘つかないといけないの!」
怒ったように顔を背けて主張した。
「お前はすぐ嘘つくからな。信用なんねー」
「すぐって!あたしがいつ嘘を…っ」
「部会があるとか言って、渡宮に会いに行こうとしてた」
…ぐっ!
確かに!
あの時は恋心に燃えてました!
「いや、あれは…っ」
「ほらな。信用ならねぇ」
「!」
これみよがしのため息。
何でこんなことで責められないといけないのか、あたしは不機嫌を前面に押し出す。
「だったら!証拠見せてあげる!一緒に行った副部長に電話して聞いてよ!」
「部員二人しかいないのに、部長と副部長って…。マジ笑える」
「………!!」
なんだか今日は、いつにも増して性悪だ!
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