Story7.灰音りかの苦悩

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その瞳があまりにまっすぐあたしを見つめていたので、なかったことにしたはずのあの出来事が再び体に刻まれた。 それをどうにか押しのけ、あたしはそっぽを向く。 「嘘なんてつくわけないでしょ。なんで嘘つかないといけないの!」 怒ったように顔を背けて主張した。 「お前はすぐ嘘つくからな。信用なんねー」 「すぐって!あたしがいつ嘘を…っ」 「部会があるとか言って、渡宮に会いに行こうとしてた」 …ぐっ! 確かに! あの時は恋心に燃えてました! 「いや、あれは…っ」 「ほらな。信用ならねぇ」 「!」 これみよがしのため息。 何でこんなことで責められないといけないのか、あたしは不機嫌を前面に押し出す。 「だったら!証拠見せてあげる!一緒に行った副部長に電話して聞いてよ!」 「部員二人しかいないのに、部長と副部長って…。マジ笑える」 「………!!」 なんだか今日は、いつにも増して性悪だ!
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