歌語り

少女の章

男は近くにいた執事らしき男を呼び寄せ、耳打ちをしました。

頷く執事は男を旦那様と呼んでいます。つまり、その男はこの豪邸の持ち主だったのです。

少女はその事に気付き、無意識に背筋をピンと張りました。

その姿にも男はニヤニヤと見ていた事を少女は知る由もありませんでした。

暫く歩かされた奴隷たちは、大きな広間に集められました。

すると、奥の扉から宝石類を身に纏う１人の気の強そうな女性と、沢山のメイドが現れたのです。

メイドの目には光が宿っておらず、よく見ると傷だらけ。

多分、少女達と同じく奴隷だった者でしょう。

気の強そうな女性はメイド達に、始めろ、と短く命令すると、メイド達は一斉に少女達の方へ向かってきました。

その手には様々な服。