序章

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とある廃墟、人影が数個ちらほら動いていた。 中はもやりと煙たい。 よく見れば、あちこちにタバコの吸い殻と、空き缶が転がっている。どうやらタバコの煙のようだ。 「ねぇー!ちょっと来てぇー!」 声を上げたのはセーラー服に身を包む少女だった。 微かにタバコの香りがした。顔もほんのり赤い。 どうやらこの少女たちが酒を飲み、タバコを吹かしたようだった。 「んだよー?」 だらしなく学ランを着る派手な少年2人と、着崩したセーラー服を着る金髪の少女1人が奥から現れた。 3人の姿を確認した少女はこれを見て、と、短いスカートを翻し、本を何処からか取り出した。 「難しそうな本だな。」 「でもさぁ、なんか読めないねぇー」 「その本に興味がお有りですか?」 不意に、声が聞こえた。 4人は声のした方に勢いよく振り向いた。 そこには、ぼんやりと光を放つランタンを手にしたシスターが立っていた。 「その本に興味が有るのならば、わたくしが読んで差し上げましょう。」 シスターは、少女達の返答を待たず、動きを見せた。 シスターが少女の持つ本に向かって手をかざした途端、パラパラと本が勝手に開きだした。 「今は昔……」
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