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少年は、木の上から豪邸を覗いていました。
彼の名前はハレイヤ。
先程のパンを抱えていた少年です。
ハレイヤは、木の上から少女の叫び声を聞きました。
多分、その声は先程の少女だと本能的に理解し、唇を噛み締め、力一杯木を殴りつけました。
「……僕に、力があったなら。力があれば彼女を救えたのに。」
少年はボロボロ涙をこぼしました。
するといきなり少年は走り出し、近くの海まで走り続けたのです。
くそっ、くそっ!
悪態をつきながら、涙をこぼしながら、ハレイヤは走った。
海まで着くと、泣きながら海に向かって叫びました。
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