終焉の章

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風が強くなってきました。 重たい剣を引きずりながら坂を登るその姿は、哀愁が漂っています。 風でよろけながらも、その足取りは確かに強く、紅い目には憎しみの炎が確かに宿っていました。 少年は辿り着いた。憎むべき大人が住む屋敷の前に。 がしゃん 少年は扉を思いっきり剣で叩きつけました。 音に気が付いたメイドが扉を開け、辺りを確認しましたが、誰もいません。 扉を閉めようとした途端、胸が熱くなりました。 視界の下には少年。それと、血に染まる自らの胸。
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