少年の章

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「おいコラっ!待ちやがれ!」 太った男は、大通りで人目も憚らず大声を張り上げた。 「この盗っ人!」 怒号の先を走るのは、ボロボロの服を身に纏う、薄汚れてしまっている金髪の少年でした。 少年の名前はハレイヤ。 ハレイヤは両親も身寄りも居ない、1人孤立した生活をしていました。 ハレイヤが追われる理由は、盗み。 そして、盗んだのはパン。 理由は、お金を持っていない。しかしこのパンを盗まなければ明日、生きるのもままならないほどお腹が空いていたからです。 あなたなら、お腹が空いて空いて死にそうな時、どうします? お金もないし、食べ物を買うことも出来ない。 素直に餓死しますか? 理不尽なこの世は弱肉強食。 仕方ない、そう思いながら少年は盗みをしていました。
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