開幕

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「いいか! 五位に落ちたとはいえ、この地元での京神戦、勝てば再び四位に上がる! 正直、優勝はもう厳しいが、既存四球団に割って入っての四位、これができれば来季以降に弾みがつくと言うものだ! 行くぞ! 京洋パファー!」 敵地・後楽園での五位転落。 そこから地元に戻ってきた京洋ナインに向けて、中江オーナーは力の限り檄を飛ばしました。 「おおぅ!」 主将・平 喜久治(ひら きくじ)以下、ナインたちが力強く応えます。 迎えた対京神戦。 京洋ナインが躍動します。 圧巻は主将で、『塀際の魔術師』の二つ名を持つ平 喜久治。 藤浦を筆頭とする京神自慢の『ダイナマイト打線』が放つホームラン性の当たりを、悉くフェンス際で掴み捕ります。 「野球の華はホームラン……その華を摘み取ってみせるのがこの俺様よ!」 フェンスにもたれながら、平はこう吠えたのでした。 この試合と次の試合に連勝した京洋は、見事に四位に返り咲きました。 このあとも一進一退の攻防を続け、京洋は8月を四位で終えました。
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