憧れの日常

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「ちょっと、何……うあっ」 「……髪濡れてんだよ。そのままだと風邪ひくだろーが。大人しくしてろ」 どうやら俺の髪を拭いてくれるらしい。 案外優しい手つきで、後ろから髪を拭かれる。 タオルであらかた水気を拭うと、手近にあったドライヤーを引き寄せてスイッチを入れた。 「ふぁー、きもちー……」 「…………」 その梳くような手の動きに気持ちよくなって、俺は態勢の居心地悪さも忘れて徐々に寄りかかっていった。
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