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. 大塚が学校に通いはじめてから、二週間くらいずーっと雨だった。 霧雨の時もあれば、どしゃ降りの日もあった。 私のイライラは、最高潮に達しようとしていた。 いつも以上に、目付きが悪い。 いつもは物怖じせずに叱ってくる教師も、私が目を向けるだけで黙った。 大塚は、相変わらずこっちを見つめていた。 なんなんだよ、マジで。 私は雨が大嫌いだ。 校庭はぬかるんで歩きにくいし、寝転べる場所が減るし、冷たいし、なんかうっとうしい。 なんであそこまで人の神経を逆撫でできるんだろう。 ある意味、才能だと思う。 明日雨が降ったら、テキトーに理由つけて学校休もう。 そう思って布団にもぐった翌朝、快晴。 白いふわふわが、のんびりと漂っていた。 嬉しいような、ちょっと残念なような。 まあ、嬉しいけど。 その日の放課後、私は、足どり軽く階段を上がっていった。 もちろん、愛しの屋上に向かうためだ。 早くあそこで昼寝がしたい。
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