30人が本棚に入れています
本棚に追加
.
大塚が学校に通いはじめてから、二週間くらいずーっと雨だった。
霧雨の時もあれば、どしゃ降りの日もあった。
私のイライラは、最高潮に達しようとしていた。
いつも以上に、目付きが悪い。
いつもは物怖じせずに叱ってくる教師も、私が目を向けるだけで黙った。
大塚は、相変わらずこっちを見つめていた。
なんなんだよ、マジで。
私は雨が大嫌いだ。
校庭はぬかるんで歩きにくいし、寝転べる場所が減るし、冷たいし、なんかうっとうしい。
なんであそこまで人の神経を逆撫でできるんだろう。
ある意味、才能だと思う。
明日雨が降ったら、テキトーに理由つけて学校休もう。
そう思って布団にもぐった翌朝、快晴。
白いふわふわが、のんびりと漂っていた。
嬉しいような、ちょっと残念なような。
まあ、嬉しいけど。
その日の放課後、私は、足どり軽く階段を上がっていった。
もちろん、愛しの屋上に向かうためだ。
早くあそこで昼寝がしたい。
最初のコメントを投稿しよう!