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「だいたい、見た目といい中身といい、女々しいんだよ。
キモい」
大塚が顔を上げた。
自分でもびっくりしていた。
そんなこと思ってなかったのに。
キモい、だなんて。
むしろかわいいと思ってた。
こんな風になれたらなって。
呆然としてると、大塚の目が潤み始めた。
その目で、私をキッと睨む。
胸の辺りが痛かった。
でも、ごめんなんて言えなくて、私はその場から逃げるように立ち去った。
言わなきゃいけないことが言えないのは、私も一緒だ。
階段を降りてる途中、後ろを振り返ってみた。
ドアの向こうで、小さな背中が、少し震えていた。
空は、灰色になっていた。
と思う。
よく見てなかった。
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