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. 正直、びっくりだった。 なんで? って思って、思わず姉に直接質問してしまった。 女一人なら楽だけど、男が出てきたらメンドーじゃん。 殴られるかもしれないし。 姉は、こともなげに答えてた。 まっさかー、なんて鼻で笑ってたけど、まさか、ホントに効果があるなんて。 拍子抜けだ。 とにかく、成功してよかった。 私は、今までほったらかしにしてた大塚に目を向けた。 ポカン、としてる。 その様子が可愛らしくて、吹き出しそうになった。 大丈夫? そう言おうとして、思い出した。 あの日のことを。 今の私は、気安く彼に声をかけていいヤツじゃない。 つかんでいた手を離し、私は店の中に入っていった。 何気なくレジの方を見ると、慌てて店員が目をそらした。 スナック菓子と消しゴムを持って、会計をすませて、すぐに店をでた。 ジュースはあきらめた。
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