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. 「いいよ」 私は、青いだけの空をボーッと眺めながら返事をした。 「じゃ、どこに行こうか? 真雪ちゃんが決めて」 「ぐっすり眠れるとこ」 「…遊べないじゃないか」 「遊びにいこう、なんて言ってないだろ、お前」 「…真雪ちゃん、性格悪い」 「そりゃドーモ」 ケタケタと笑って、私はまた寝転んだ。 勢いあまって頭を打った。 テレビとかでよく聞く効果音みたいな音がした。 いてぇ。 「ゴロゴロするの、楽しい?」 大塚の言葉に、私は頷いた。 立ったり、座ったりするより楽な体勢だし、立ったままじゃ見えない景色も見える。 見上げるよりもずーっと楽に。 そう、私は楽なのが大好きだ。 メンドーは嫌い。 こうすれば後で楽になるよ、とかいう理屈も嫌。 大切なのは、今だ。 今、楽になりたい。 そのせいで後々メンドーなことになったら、その時考えればいい。 たぶん間に合う。
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