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「…女だから、私」
ぶっきらぼうにそう言う。
机に座ってると上半身しか見えないから、私が女だと気づかないのも、まあ仕方ない。
初対面みたいなもんだし。
ツンツン跳ねてる短い茶髪。
176cmの高い背。
鋭い目付き。
小麦色の肌。
女性特有の弱々しさなんて、欠片もない。
最もスカートの似合わない女だろう。
大塚は驚いていた。
何か言いたげだったが、私はそっぽを向いた。
どうせ、ろくなことは言われない。
「…カッコいい」
彼の声が微かに聞こえた。
ほら見ろ。
やっぱりだ。
あいにく、そんな言葉聞きたくねえんだよ。
褒めてるつもりかっつーの。
まったく、全然、嬉しくない。
私は舌打ちをした。
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