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とある社内のオフィスで、人々がせわしなく動き回っている。
その中で、一人の女性が製作途中の資料に目もくれずに無人のデスクを一心に見つめていた。
「――――さん!松下さん!!」
「―――え?あっ、はいっ!!何でしょうか、課長!」
「忙しいところ悪いんだけど、今度の会議で使う資料の作成を頼まれてくれるかな?」
「はい!大丈夫です。今やってる資料ももう少しで終わりますから」
「そうかい。いつも助かるよ。三日くらいで完成させてくれればいいから。じゃあ、頼んだよ」
「わかりました」
松下と呼ばれた女性は課長である服部が去るのを見届けると、大きな溜め息をついた。
「ハァ―――・・・・」
やってしまった。今やっている資料だって、ただでさえ量が多いのに、また仕事の量を増やしてしまった。
毎回毎回、服部に頼まれた仕事を請け負ってしまう自分が憎らしい。
「これは、徹夜決定だなー・・・・」
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