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阿狼と焔が『四谷マーケット』にたどり着くと、すでにそこにはパトカーが止まっていた。パトカーの中から現れたのは閻浮署の頼れる頭脳派、二宮 金次郎警部捕だ。
「君たち、忙しいところ済まないね。」
「珍しいですね。金次郎さんが現場に出向くなんて。」
阿狼がそう言うと金次郎は手を頭の後ろに回す。
「うん。実はどういう偶然か、この近くの小学校は僕の古巣でね。それで僕はトイレで事件と聞いたから来たんだよ。犯人に心当たりがあるからね。」
金次郎の言葉に疑問を覚えながらも阿狼と焔は金次郎の後に続く。
田舎にありそうな小さなスーパーであるため、夜遅くは閉まっている。しかし、捜査にかこつけて店長から鍵を預かっていたのでスーパーの裏口から入る。
暗いスーパーの店内を進み、片隅にあるトイレに入る。ちなみにここは男性用トイレである。まずは阿狼と金次郎が入り、続いて焔が入る。
そして、金次郎は3番目のトイレの個室の前まで歩く。
「今から僕の知り合いと話をしてみるよ。」
「ここに誰かいるんですか?」
阿狼の問い掛けに金次郎は頷く。
「まあ、見ててよ。」
金次郎はトイレのドアを3回叩く。
「花子さ~ん。遊びましょ。」
金次郎がそう言うとトイレの扉が勝手に開いた。
「はーい、どちらさま?」
そこから出てきたのは小学生5年生くらいの背丈の女の子であった。
「花子さん、久しぶり。覚えてる?二宮 金次郎だよ。」
「ああっ!金次郎さん。久しぶり!」
どうやら二人は知り合いらしい。
「あの、その人は?」
「紹介するよ。僕の友達の『花子さん』。昔、一緒に桜丘小学校にいたんだよ。」
阿狼の質問に金次郎は笑顔で答える。
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