12人が本棚に入れています
本棚に追加
阿狼と陣介、そして焔は桜丘小学校に到着した。花子はどうやらここに逃げ込んだ可能性がある。
「さあ、行くわよ。二人とも構えなさい。学校は妖怪や幽霊が集まりやすい場所、何が起こるかわからないからね。」
三人は学校に突入する。入って早々、タンタラタンとピアノの音が学校中に響き渡っている。
「ピアノの音?犯人は『音楽室』に逃げ込んだんでしょうか?」
「でも、阿狼。隠れたのにわざわざピアノの音を鳴らすなんておかしくねぇか?」
「陣介の言うことにも一理あるわね。でも、妖力を感じるからここにいることは間違いないわ。まずは音楽室に行ってみましょ。」
焔の言葉に二人は頷き、ピアノの音が聞こえる3階を目指す。階段に差し掛かったときだった。ガタンガタンと音がしたかと思うと机や椅子が階段から大量に転げ落ちてきた。
「うわわ!危ない!」
阿狼は必死に避けている。しかし、焔は剣で椅子や机を次々と斬り捨てている。そして、陣介はそもそも宙に浮いているため当たらない。
「あはは、大変だな阿狼。」
陣介は下を向いてヘラヘラ笑っている。
「陣介はいいよな。飛べるから。てか、焔先輩。机や椅子を容赦なく斬っていいんですか?」
「大丈夫よ。こうでもしないと私たちが怪我するわ。それにこの学校はもうすぐ廃校になるらしいし。」
「ということは、花子さんは学校がなくなって居場所を追われたから、その腹いせにスーパーの客を襲ったのでしょうか?」
阿狼は腕を組んで考える。
「さあ。それは本人のみぞ知るね。それよりも阿狼は机や椅子を避けることに集中しなさい。」
「うわっとっと!?」
腕を組んだままコサックダンスのように阿狼は机や椅子をかわした。
最初のコメントを投稿しよう!