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「待ってくれ、みんな!」
何と後を追ってきたのか金次郎が現れた。
「花子さんは・・・・」
しかし、そう言いかけたときであった。花子が焔に当てようと投げた換気扇チャクラムが誤って金次郎を斬り裂いた。
「ぐわああ!?」
金次郎の絶叫とともにゴトリと鈍い音がする。金次郎の上半身は無惨にも床に転がる。
「き、金次郎さん!」
阿狼はすかさず上半身と下半身が別れてしまった金次郎に駆け寄る。そして、阿狼はキッと花子を睨む。
「な、何か言いたいわけ?そ、そんなところにいた金次郎さんが悪いんじゃない!」
その花子の逃げるような言い訳に阿狼はついに怒りをあらわにする。
「うおおぉ!!」
阿狼は花子に向かって走り出す。
「来ないで!」
花子は自身の能力で水道を壊して、水流で阿狼を押し戻そうとする。
しかし、阿狼が花子に立ち向かった直後に焔はあることに気づいた。
(トイレの窓から月光が差し込んでる!こうなったら・・・)
焔は落ちていた蛇口を窓に投げつける。ガシャンと音がして窓ガラスが割れ、そこから月光が入り込む。
「ウォーーーン!」
阿狼は焔のサポートにより人狼に変身した。人狼の姿となった阿狼は花子の攻撃を素早い身のこなしでかわし、一気に花子との距離を詰める。そして、花子に拳を突き出した。
ドゴーーン!
「キャアアアーー!」
花子は悲鳴をあげた。人狼の姿となった阿狼の拳はトイレの壁を一撃で倒壊させた。
「ああ・・・つ、強い・・・これが人狼・・」
人狼の力を思い知った花子は床にへたり込んだ。
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