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女性から一通り話を聞いた二人は帰路についていた。焔が運転するパトカーの助手席に阿狼は座っていた。
「あっ、今ちょっと暇なので読者のみなさんに僕の自己紹介をしておきます。僕の名前は『月影 阿狼』。僕は高校生くらいに間違われるんですが、実年齢は100歳です。そして、僕は妖怪や悪霊が起こす怪奇現象や犯罪を取り締まる『閻浮(エンブ)署』の刑事課の巡査で・・・」
そのとき、突然焔が振り向く。
「あんたさっきから独り言がうるさいわよ。それより、ほらもう署に着いたわ。」
「あっ、すみません。」
阿狼はペこりと頭を下げる。
ちなみにこの金髪の女性、『焔・クリムゾン』は刑事課の巡査長であり、阿狼の先輩である。彼女はどんな種族かと言うと、
「私はちょっと生き血を吸いに街へ行くわ。先に署に帰ってて。」
そう、彼女は『吸血鬼』である。焔はパトカーから阿狼を降ろす。
しかし、警察が人の血を吸うことはいかがなものか。この件に関しては血を吸わないと彼女は生きていけないということで署は黙認しているそうだ。
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