4月

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さらに校章をとっていく速水。 「はぁ~かったりーなぁー。オレ様は勉強しに来てんじゃねーんだよな、紅南高校に。さっさと阿久津をぶっ倒して・・・“紅南最強の漢”になんなきゃいけねーんだからよ~」 そう呟いて教室に向かった。 その頃教室では、速水の後に阿久津に会いにいった少年が考え事をしていた。 (阿久津さんをこちらに振り向かせるには・・・まずは実績・・・1年の頭でも狙ってみるか・・・) そう思って教室の扉にたった。 ちょうど速水が教室の扉を開けた。 「むっ」 「どけよ。そこに突っ立ってたら出れねーだろが」 「おっ?何それ?このオレ様に指図すンの?そりゃオメェ、命知らずってモンだろーよ~」 速水が少年と睨みあっていると川上とテルがやって来た。 「おいおい、今日も元気だなぁ~速水ちゃんよ~」 「速水・・・?」 「Σいっ!?」 テルと少年は同時に驚いた。 「川上ちゃんさぁ~コイツに言ってやってくんない?A組の頭であるこのオレ様に、どけたぁーどーいうことかってさぁ~」 少年は呆れた目で呟くようにいった。 「オマエか・・・阿久津さんに会いに行った、速水ってバカは・・・」 「な、なにをぅ!!バカとは何だバカとは無礼者!!!」 「バカなくせに、さらにはこのクラスの頭だと?オレともやりあってもいねーのに笑わせんじゃねーよ」 「大将・・・」 テルが呟いた。 「ソイツだよ・・・この前言ったA組最後の大物、『山口 健治』・・・通称“ヤマケン”は」 「最後の大物ねぇ~・・・たいそうな触れ込みだねぇ~。まぁ確かに、少しはヤリそーな感じはすっけどな」 「阿久津さんと勝負すンのはオレだ!オマエみてーなノーテンキバカはすっこんでろ!!!」 「どー考えても、このオレ様以外にいないだろーが!!なけなしの五百円玉を賽銭箱に入れちゃうほど気合入ってんだぞ!?」 その言葉にテルと川上は呆れた目で速水を見た。 「オマエごときが阿久津に挑戦すんのは12年くらい早いわ!」 「だったらオマエは15年早えー・・・」 「へっへっへっ。どっちが阿久津とやるか・・・決めようじゃねーか!」 「行くぞ!速水!」 「こいコラァ!!!」
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