虚構から幻想へ

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「な、なんで強制ログオフが作動しないんだよ!?」 FAV本体にはあらかじめ、不具合が発生した場合には強制的にリンクをカットする安全機構が備わっているはずだ。 それが作動しなかった場合どうなるのか… 「う……うわあぁああぁぁぁあぁああ!!!!」 悲鳴をあげている間にも、周りを飲み込みながら穴が広がっている。 そして自分の体があの穴に引っ張られ始めた。 必死で何かを掴もうと周りを見回すが、もはやそんな事ができる物は崩壊していた。 まるで墜ちているような感覚で引き込まれ、白い空間が凄い勢いで離れていく。 「あぁあぁあぁぁぁ………―――――」 俺が覚えてるのはそれまでだ。
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