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しかし、この場は流れることになりそうである。
そう、この少年と目と鼻の先ほどしか離れない距離でにらみ合っている老人に出発のときが来たようだ。
アナウンスが出発ターミナル内に響き渡る。
あと少しすれば、老人は日本語のアナウンスに続く英語のアナウンスのほうがよく流れる、つまり英語が公用語である国へと旅立つことになる。
少年は彼の言った言葉の真意を答えもせずに、老人にこう言った。
「ランクのほう、ひとつ上げるよう海の向こうから鶴の一声おねがいしますね。」
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