大学生、小娘に出会う。

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梅雨も明け、僕の左手に広がる空き地には、今にも僕の背丈を超えんばかりに雑草が生い茂っていた。草の合間に隠すように不法投棄された粗大ごみが転がっている。持ち主の手を離れる前は、生活の中で様々な役割を担っていたはずの道具たちではあるが、いまはその頃の様子の影も形もない。 そんなことを考えながら、投棄されたゴミたちをなんとなく横目に眺めていると、僕は思わず歩みを止めた。草むらのなかに、人影のようなものを捉えたような気がしたからだ。 不法投棄の現場にしては、随分と白昼堂々としている。逆にゴミの片付けや草刈りをしているのか?たった一人で?
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