それぞれの道

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「先輩もいよいよ出世コースまっしぐらですか!」 だといいが。若干20才の君が言ってくれても説得力のかけらもない。まぁいいか。悪いことはなにもないのだから。 しかし、驚いた。午後からすでに そこにあったはずの私の机は無かった。社員全員が見える所に配置してある私の机を見つけるのは 遅くはなかった。なにしろ 「田中良夫係長」 と書かれたプラスチックのプラカードが机の右すみに置かれていたから。椅子に ドップリと座りこんだ。そして、 パソコンを開いた。移動した時動かした荷物を整頓した。本棚が無くなったので仕方なく三番目の引き出しに入れようとした。 「なんだこれ・・・」 引き出しの中には見覚えのない漫画の原稿用紙らしき物が存在していた。異次元宇宙対戦?なんだそれ。誰かが入れたにしては少しおかしい。 「係長。コーヒーです。」 「ありがと。」 いつもは受けない対応もさらっと流して漫画の原稿をコーヒーを すすりながら読んだ。
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