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私、斎藤綾は
中学生に今日から仲間入り。
「中学校には、どんなイケメンがいるのかな」なんて、考えてるのんきなタイプかな。
「ちょっとあや、早くしないと入学式始まるよ」
あっ!!
また怒られちゃった。
なんか調子狂うなぁ。
今私の事呼んだのは、親友の西川理香。
いつもは私の方がしっかりしてるんだけど……
この頃の私達は逆になって来ている。
たぶん私がぼーっとするようになったからかな。
春になると、いつも言われる私の悪い癖で……
あっ!!ヤバいよー!!
急がないと!!
入学式に遅れるなんて
いくらなんでもダメでしょ。
**********
「理香、今から生徒会の人達からの中学校生活の話しだっけ?
なんかめんどくさくない?」
「うん。やっぱりそうだよね。
話し変わるけど……
なんかチェックしたんだけど……
入学式で見た限り
イケメンいないよね。
やっぱり人数少ないからかな。
なんかちょっとショックじゃない?」
「そうだね。
っていうか、チェックするの
早すぎだよ!!」
理香の言う通りだった。
私達が入学した中学校は全校70人で、各学年1クラスの小規模な学校だった。
しかも、ほとんどが小学校からの顔見知りであるため、転校生でも来てくれないとイケメンなんていないんじゃないなどと、
同じクラスメートも控え室で話していた。
やっぱイケメンなしか。
**********
ガラガラガラ。
「皆さん、はじめまして。
この学校の生徒会長の
篠原瑞樹です。
よろしくお願いします。
では、中学校生活について……
………こんな感じです。」
生徒会長さんは、真剣に話していた。
だけど、その人の話は私の耳
には、届いていなかった。
私はその人の大きくて、長いまつ毛がついた女の子のような
真っ黒の瞳に吸い込まれそうに
なっていた。」
これが世に言う一目惚れ???
私が一目惚れ???
私の頭の中には、クエスチョンマークがいっぱいだった。
とりあえず、あの人は誰だっけ?
そうだ。生徒会長さんだった。
確か名前はしのはらなんちゃらだったはず。
一回でいいから話してみたいな。
めっちゃ優しそうだな。
この時、生徒会長さんは私の頭の中では、気になる人No.1だった。
間違いなく私は一目惚れしてしまっていた。
中学一年の春の事でした。
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