序章

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この世界には、「うたうたい」と称される女性達が居る。 彼女達は薄暗い洞窟に幽閉され、その名の通り一生を神に捧げる歌を歌うことに費やすのだ。 先代のうたうたいが死ぬと次のうたうたいへと仕事は引き継がれる事となる。 うたうたいは主に資質のある少女から選出される。 今のうたうたいーー僕の幼馴染みにそれが引き継がれたのは丁度十年前の話だ。 まだ十歳に満たなかった僕は何も出来なかった。 強くなれば、世の中を変えるほどの力を手にする事が出来れば、彼女を取り戻せるかもしれない。 そうして僕が騎士団に入ったのは、今から七年前の話だ。
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